在留資格の申請に必要な理由書。添えるだけで結果が変わる？その必要性を解説

在留資格の申請では、提出する書類が細かく決められています。

そのなかでも、申請者の事情は人それぞれで、書類だけでは説明しきれないケースは少なくありません。

そこで活用されるのが理由書（陳述書）です。今回は「理由書（陳述書）の必要性」についてご紹介します。

▶︎ 理由書とはどんな書類

理由書：申請者の状況や経緯を補足し、審査官に正しく理解してもらうための文書をいいます。

審査は限られた情報をもとに行われるため、「なぜこうなっているのか」を明確に伝えることはとても重要です。

▶︎ 理由書を添えると結果が変わる？

理由書が結果に影響するのは、「誤解を防ぎ、事情を正確に伝えられる」からです。

例えば、収入が一時的に下がっている場合、書類だけで見てしまうと「安定性に欠ける」と判断される可能性があります。

しかし、産休や育児、病気療養、転職準備など、正当な理由があることを提示したら、審査官の受け止め方は大きく変わります。

また、夫婦の同居期間が短い、別居期間があった、更新申請が遅れてしまったなど、説明しなければ不利に見える状況もあります。

理由書は、こうした＂見た目の不利＂を補い、全体像を理解してもらうなめには大切なツールです。

▶︎ どんなときに理由書が効果的なのか

理由書が重要になる場面は、次のようなケースです。

1.収入が基準ギリギリのとき

産休・転職など、背景を説明することで安定性を示すことができます。

2.夫婦の同居期間にばらつきがあるとき

別居の理由が仕事や家族事情であれば、合理的に説明ができます。

3.提示書類では意図が伝わりにくいとき

「なぜ変更したいのか」「なぜこの時期に更新するのか」を明確にできます。

4.更新が遅れたとき

病気、家庭の事情、勘違いなど、遅れた理由を丁寧に説明することで不利を軽減できます。

5.過去に軽微な違反があるとき

納税遅延や更新ギリギリなどは、理由と再発防止策を示すことがポイントです

こうした状況では、理由書の有無が結果に大きく影響することがあります。

▶︎ 理由書を書くときのポイント

審査官は多くの案件を扱っているため、「読みやすい・伝わりやすい」理由書が好まれます。

作成の際は次のポイントを意識してください。

1.事実を時系列で簡潔に書く

感情的な表現よりも、「いつ・なぜ・どうした」を明確に記載しましょう。

2.数字や日付を使って説明する

曖昧な表現より、具体的な情報の方が説得力があります。

3.不利な事実も隠さない

隠すと逆に不信感を招きます。正直に書くほうが結果は良くなります。

4.審査官が読みやすい構成にする

見出しや段落を使い、理由・経緯・今後の見通しを整理すると読み手にとって読みやすい構成になります。

5.長すぎる文章は避ける

必要な情報を絞り、簡潔にまとめることが大切です。

▶︎ NGな理由書とは

理由書の内容によっては、逆効果になることもあります。

言い訳ばかりの書き方や、他人のせいにする表現、事実と異なる説明、感情的な分子は避けましょう。

また、文字数が多すぎて要点がわかりにくい文章もマイナスの方向に審査されます。正しく、簡潔に、誠実に理由書を作成を行いましょう。

▶︎ まとめ

理由書は申請者の事情を補足し、審査官に正しく理解してもらうための大切な書類です。

書類だけでは伝わらない背景を説明できるため、場合によっては結果を左右するほどの効果があります。

不利な事情や説明不足がありそうなときは、積極的に理由書を添付することをおすすめします。

適切に作成できれば、理由書は審査で評価される「強い味方」となり得ます。

種と実 行政書士事務所は、これまでの経験を活かし、在留資格や永住許可に関するご相談に丁寧に対応いたします。

「いつ在留資格の変更はできるのか知りたい」「書類準備が不安」など、どんな小さなことでも、まずはお気軽にご相談ください。