長年一緒に住んでいるペットがいます。終活を考えたときに自分の死後、なにをどのようにしておけばいいのでしょうか。 子どももおらず、一人暮らしです。
自身を将来を考え、終活を進める一方で、自分にもしもの時があった場合、これまで共に生活してきた大切なペットの行く末を案じている方もいらっしゃることでしょう。
ペットも大切な家族、もしものことがあった場合でも「幸せであってほしい…」と願うのは、飼い主の想いだと思います。
今回は「単身者とペット。ペットと進める終活」についてご紹介します。
▶ 終活とペット
ペットと進める終活では、以下のことを準備しておくと将来的に安心できます。
1.引き取り先を決めておく
引き取り先は大きく分けて2通りあります。
- 友人や親せきに依頼:予め、信頼できる第三者にペットを引き取ってもらえるように相談し、引き取りの合意をもらっておく。
- 動物保護施設や団体に登録する:ペットの性格や健康に合わせて施設や団体を選び、事前に契約を行っておく。但し、全ての団体でペットを引き取ってくれるわけではありません。事前のリサーチが必要です。
2.ペット用に遺産を確保しておく
あなたが亡くなった後、ペットを引き取ってくれる方の負担にならないよう、できる範囲で遺産を残しておくこと良いでしょう。
その他、ペット信託の用意や遺言書、死後事務委任契約を用いて、資金提供の方法やお世話などについて、具体的な指示ができるようにしておくと更に安心です。
3.ペットノートを作る
ペットノートは終活ノートのような位置付けと思っていただければ、わかりやすいかもしれません。
あなたの死後、引き取ってくれる方や団体にお世話を引き継ぐ際、以下をまとめたペットノートがあるとお世話もスムーズに行えます。
- ペットの健康状態
- 食の好み(ペットフードの種類やこれしか食べないんどがあれば記載)
- ペットの習慣 など
▶ ペットのケアも死後委任契約を活用
ペットのケアでも ”死後事務委任契約” の活用がおすすめです。
遺産相続など、口約束では法的な効力はありません。それがペットのお世話となれば、命を預かることもあり、なおさら。
あなたの死後でも大切なペットが幸せに過ごすことができるよう、死後事務委任契約の中にペットのケアについて具体的に記しておきましょう。
例えば)
- 引き取り相手の指名:ペットのお世話をお願いしたい人または信頼のおける団体名を記載すると引き取り相手がわかるので他者も安心です。
- ペットのケア費用について:遺産や資金をペットの食事代や医療費に充てられるよう契約内に記載しておくといいでしょう。(例:ペットのために月額〇万円を〇〇へ提供し、ペットの生活費および医療費に充てる)
- ペットの生活環境について:どのくらいの頻度で動物病院で健康チェックを受けに行っているのか、どんなものが好きなのかなど習慣や健康管理について細かく記載する。
- 引き渡し手順:あなたの死後、ペットがどういった手順で指定した方のもとに行くのか、引渡し手順を記載すると引き渡す先にスムーズな手続きが可能です。[例えば:1.遺品整理業者がペットを預かる 2.指定した相手に手配 3.指定した相手に引き渡す など]
▶まとめ
ペットは大切な家族。
人であっても、ペットであっても大切なことにかわりありません。
家族を守る意味でも、死後事務委任契約は結ぶことで得られる安心があります。
終活はあなただけのために進めるのでなく、あなたに関わる全ての人やペットのためにも必要なことです。
あなたの死後、あなたの周りにいらっしゃる大切な方々が迷ってしまうことのないよう、あなたの意志をしっかりと残しておきましょう。
種と実 行政書士事務所は、遺言・家族信託・成年後見の専門家です。
大切な財産、ご先祖様から代々受け継がれてきた資産をこれからも笑顔で繋げられるよう、皆さまの思いに寄り添った解決策をご提案させていただきます。
まずは、お気軽にご相談ください。