60代男です。還暦を迎え、元気ではありますが、人間いつ何があるか分からないとも感じています。それでも終活には踏み出せません。“会話の終活”という考え方はおかしいでしょうか?
「まだ元気だから、終活はまだまだ早い。」けれど、「人間いつ何があるかは分からない…」
60代を迎えた方から、このようなご相談をいただくことがあります。
還暦を過ぎても仕事を続け、趣味を楽しみ、日々を元気に過ごしている。だからこそ、「終活」という言葉をどこか他人事のように感じてしまう。
そのお気持ちはとても自然なものです。
終活に抵抗感を抱く方には、書き出す前段階として、‶会話の終活”があります。
今回は、「会話の終活という考え方」についてご紹介します。
▶ 終活は「準備が整った人」がするもの?
終活というと、遺言書の作成や財産整理、葬儀の準備などを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、これらはあくまで「形を整える」段階の話しです。
「まだ元気なにのそこまで考えるのは大げさではないか」
そう感じて、二の足を踏んでしまう方も少なくありません。
ですが、終活は必ずしも、‶全てを決めて書類を整えること”から始める必要はありません。
むしろ、その前にできることがあります。
▶ 本当に家族が困るのは「知らされていないこと」
実務の現場でよく耳にするのは、「何も聞いていなかった」というご家族の戸惑いです。
- 葬儀はどのようにしてほしかったのか
- 延命治療についてどう考えていたのか
- 大切にしていた物を誰に託したかったのか
書類がなくても手続きは進められる場合があります。
しかし、ご本人の気持ちが分からないまま判断を迫られることは、ご家族にとって大きな負担になります。
「迷惑をかけたくない」という思いがあるからこそ、何も伝えないままでいる。
そのことが、かえって迷いを残してしまうこともあります。
▶ ‶会話の終活”という選択
そこで選択肢に入れたいのが、「会話の終活」です。
これは、何か特別な制度や契約を指すものではありません。
まずは、ご家族と今の気持ちを共有することです。
例えば、
- 自分はどのような最期を望んでいるのか
- 葬儀は身内だけで静かに行いたいか
- お墓や供養についてどう考えているのか
正解を出す必要はありません。時が経てば、考えが変わることもあるでしょう。
それでも、「こんな風に思っている」と伝えておくことだけで、ご家族の心の負担は大きく軽くなります。
会話は、書類よりも柔らかく、そして温かい準備です。
▶ 会話があるからこそ、形が生まれる
もちろん、遺言書や死後事務の準備など、専門家の関わる手続きが必要になる場面もあります。
ですが、それらは‶会話で方向が見えた後”に整えていっても問題ありません。
何を大切にしたいのか。誰にどんな思いを託したいのか。
その軸がはっきりしていれば、書類も制度もただの手続きではなく「思いを形にする手段」になります。
▶ まとめ
終活は、弱ったときにするものではありません。
元気で、冷静に考えられる今だからこそできる準備があります。
「まだ早い」と感じる気持ちは、自然なものです。
けれど、終活は人生の終わりを意識する行動ではなく、大切な人と気持ちをそろえる時間でもあります。
もし終活に対して、迷いがあるなら、まずは制度でも書類でもなく、一度ご家族と話しをしてみませんか。
‶会話の終活”は、決しておかしな考え方ではなく、ご家族への思いやりから始まる、優しい一歩でもあります。
種と実 行政書士事務所は、在留資格、遺言・家族信託・成年後見など、暮らしと将来に関わるさまざまな手続きを通じて、「今」と「これから」を安心してつなぐお手伝いをしています。
終活や将来への備えに不安を感じたときは、一人で抱え込まずにご相談ください。
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