
遺言執行者について教えてください。誰でもなれるのでしょうか。
相続で重要な役割を担う遺言執行者。
しかし、この執行者について、詳しいことはあまり知られていないのかもしれません。
そこで今回は「遺言執行者について。誰でもなれる?メリットや仕事」についてご紹介します。
▶ 遺言執行者とは
遺言書を書いた人(遺言者)が亡くなった後、その遺志を正しい形で実現するには、様々な手続きが必要になります。
例えば、「長男に不動産を、長女には預金を渡す」などの場合、実際に財産を分割するにはいくつもの実務が存在します。その役割を担うのがこの[遺言執行者]です。
簡単に言い換えれば、[亡くなった人(遺言者)の代理人]として遺言書の内容を執行する人のことを言います。
▶ 遺言執行者の主な仕事
遺言執行者の主な事務作業が以下の通りです。
- 財産調査:預貯金・不動産・株式の有無や金額の調査。
- 財産分割の手続き:名義変更や解約、現金化などを行う。
- 債務の支払い:借金や未払費用があった場合に清算を行う。
- 遺言内容の履行:遺言内容で特定の人に財産を渡すことや寄付についてあった場合、それに従い行う。
- 相続人への報告や説明:相続人へ相続に対する報告や説明を行う。
その他、相続人が複数人の場合、利害関係が絡みやすくなることがあります。そのため、中立的な立場から手続きの公平性を保つ役割が求められます。
▶ 遺言執行者は誰でもなれるのか
法律上では「誰でもなれるわけではない」が親族でも第三者でもなれる可能性はあります。
民法第1009条に基づいたなれる人となれない人は、以下の通りです。
❌ なれない人
- 未成年者
- 破産者(破産手続き中の人も含む)
⭕ なれる人(一例)
- 相続人(長男・長女など)※但し、利害関係者なので、中立性に不安が残るケースも。
- 相続人ではない家族・親族(兄弟姉妹、甥・姪など)※比較的信頼できる第三者として選ばれることも。
- 友人や知人
- 弁護士や行政書士などの専門家
*遺言書の中で執行者の指定があるとスムーズに手続きが進められます◎
▶ 遺言執行者を指定するメリット
メリットは以下の通りです。
- 手続きが明確かつ迅速に進められる
- 相続人同士のトラブルが回避できる
- 相続人の精神的、実務的な負担が軽減させる
- 第三者に任せることで、相続の公平性が保たれる
特に相続が複雑な場合や相続人が複数人のケースでは、行政書士や弁護などの専門家に遺言執行者を依頼することで、複雑な相続や後々のトラブルを避けることにも繋がります。
▶ 遺言執行者を指定されていない場合
遺言に執行者の指定がない場合でも、家庭裁判所を通じて選任してもらうことも可能です。
但し、この場合は手間や時間がかかるため、相続人同士のトラブルが発生する可能性があります。
▶ 専門家に依頼するメリット
行政書士や弁護士などの専門家に依頼することのメリットは以下の通りです。
- 専門的な知識で手続きを代行してくれる
- 中立的な立場で公正に執行してくれる
- 相続人の不安が軽減できる
- 円滑な相続を支援してくれる
何をどこから始めたらいいのか、どう進めたらいいのか不安がある場合は、専門家への相談から始めてみてください。
▶ まとめ
遺言執行者は、遺言者(故人)の遺志を形にするためのとても重要な役割を担う人物です。
「誰にでもあれるのか?」という疑問には、中立的な立場かつ、ある条件に該当する人でなければ、成人している人であれば、誰でもなれるなることはできます。
しかし、手続きの大変さや専門性の高さが見えてきます。
ご家族や専門家といざという時に備えて、一緒に話し合っておくと安心です。
種と実 行政書士事務所は、遺言・家族信託・成年後見の専門家です。
大切な財産、ご先祖様から代々受け継がれてきた資産をこれからも笑顔で繋げられるよう、皆さまの思いに寄り添った解決策をご提案させていただきます。
まずは、お気軽にご相談ください。