相続のことで家族が揉めないように、今からできることはありますか?―70代女性からのご相談―
「相続のことで家族が揉めるという話をよく聞きます。うちには大きな財産があるわけではないのですが、家族に迷惑をかけないために、今のうちにできることはありますか?」
このようなご相談をいただくことがあります。
相続というと、多額の財産がある家庭の問題のように感じるかもしれません。
しかし、実際には財産の多い少ないに関わらず、相続トラブルは起こる可能性があるのです。
むしろ、「財産はそれほど多くないから大丈夫だろう」と思っていたご家庭で、思わぬトラブルに発展してしまうケースも少なくありません。
その原因の一つが、家族間で意向が共有されていないことがあげられます。
今回は、「相続で家族が揉めないために。今からできる ‶生前の意向共有”」ついてご紹介します。
▶ 相続トラブルの原因は「思い込み」から始まる
相続の場面では、家族それぞれが「きっとこうだろう」と思い込んでいることがあります。
例えば、
- 長男が家を継ぐものだと思っていた
- 親の面倒を見ていたから多くもらえると思っていた
- 親は子どもに平等に分けたいと考えているはず
こうした考えは、子どもからしてみれば当然のものでも、実際の本人の意向とは違っていることもあります。
そして、本人が亡くなった後に初めてその違いが表面化すると、「そんな話は聞いていない」「どうしてそうなるのか」といった形で、家族間のトラブルにつながることがあります。
相続の現場では、財産そのものよりも「気持ちの行き違い」が問題になるケースも少なくありません。
▶ 生前に意向を伝えることが大切
こうした行き違いを防ぐために大切なのが、生前の意向共有です。
例えば、
- 財産をどのように分けたいと思っているのか
- 自宅や土地を誰に引き継いでもらいたいのか
- 大切にしている品物を誰に残したいのか
こうしたことを、家族と少し共有しておくことが重要です。
全てを細かく説明する必要はありません。
しかし、「自分はこう考えている」という方向性が分かるだけでも、家族の受け止め方は大きく変わります。
相続の場面では、「本人の気持ちが分からない」ことが、争いの原因になることも多くあります。
そのため、生前に少しずつ話をしておくだけでも、将来のトラブルを防ぐことにつながります。
▶ 意向を「形」にする方法
さらに、意向をより明確に残したい場合には、遺言書を作成する方法もあります。
遺言書は、財産の分け方を法的に示すことができるため、相続手続きを進める際の大きな指針になります。
特に、不動産がある場合や、財産の分け方に希望がある場合には、遺言書を作成しておくことで、家族の負担を軽減できることもあります。
また、法的な効力はありませんが、エンディングノートなどに
- 自分の財産の一覧
- 大切にしているもの
- 家族への思い など
書いておくだけでも、ご家族にとっては大きな助けになります。
相続が発生した際、どこにどのような財産があるのか分からないというケースは意外と多く、確認だけでも時間や手間がかかることがあります。
そのため、事前に整理しておくことは、ご家族にとって大きな安心材料になります。
▶ まとめ
相続は、人生の中でも何度も経験するものではありません。
そのため、多くの方が「何から考えればいいのか分からない」と感じるものです。
だからこそ、元気なうちに家族と話しておくことが、相続トラブルの予防につながります。相続対策というと、専門的な手続きや書類の準備を思い浮かべるかもしれません。
しかし、その前に大切なのは、自分の考えや希望をご家族に伝えておくこと。
生前に意向を共有しておくことは、ご家族が安心して相続手続きを進めるための大切な準備の一つです。
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