実は多い?成年後見人をつけたデメリット
高齢者や病気などの理由から判断能力が低下した方にとって、成年後見制度は心強い制度であり、多くのメリットを持っています。
しかし、成年後見制度にはメリットが多くあるのと同時にデメリットもいくつか存在します。
便利なこともある成年後見制度、そのデメリットとはどのようなものなのでしょうか。
今回は「実は多い?成年後見人をつけたデメリット」についてご紹介します。
▶ 成年後見制度のデメリット
主なデメリットは以下の5つです。
1.費用について
成年後見制度を利用し、後見人をつける場合、家庭裁判所に申立ての手続きが必要です。その際、初期費用とランニングコストが必要となります。
初期費用:申立て時の書類作成費や手続きの際に発生する費用。
ランニングコスト:成年後見人が親族や周りの人ではなく、弁護士や司法書士などの専門家の場合、毎年の支払いが必要になります。後見人に依頼する期間が長くなればなるほど、ご本人やご家族にとって費用負担は大きくなります。
2.自由な契約ができない・制限がかかる
成年後見制度を利用すると、後見人の許可がなければご本人であっても財産管理や諸々の契約などができなくなる可能性があります。
財産管理:後見人が財産を全て管理しているため、ご本人やご家族がお金を自由に使えないと感じることも。
日常生活に影響が出る:サブスクリプションなど、一部の契約がスムーズに行えない可能性も。
3.後見人とトラブルになることも
後見人とご本人・ご家族との間でトラブルが起きることも少なくありません。
信頼性について:不適切な財産管理を後見人が行うケース(使い込みや横領)が少なからず報告されています。後見人を申立てする際、誰ならば信頼できるのか見極めが大切です。
意思疎通が難しい:後見人が家族や親族でない第三者の場合、ご本人やご家族の意向と異なった判断をされることがあり、不満が生じてしまう可能性があります。そのようなことがないよう、できる限りで意思を伝えておきましょう。
4.柔軟性に欠ける
成年後見制度は一度始めてしまうと途中で終わらせることが難しい制度です。
後見を委託したご本人が回復した場合や制度自体が不要になった場合であっても手続きが複雑なため簡単に終了させることができません。
ご本人の判断能力が低下していても軽度の場合であれば、家族信託や任意後見制度など、他の選択肢が適している可能性もあります。
5.プライバシーの問題がある
成年後見制度では、利用を開始すると後見人が財産管理の内容やご本人の生活状況を家庭裁判所へ定期的に報告しなければなりません。
報告では、不正な点はないか、しっかりと制度を活用できているかなどを確認しています。
しかし、この確認によって、個人のプライバシーを侵害されていると感じてしまう可能性もあります。
▶ まとめ
成年後見制度は、高齢者など判断能力が低下した方にとって、財産管理や契約といった大切な事を第三者に委託し、管理してもらうことのできる心強い制度です。
デメリットだけを見ていくと自由度やトラブルなどのマイナス要素に目立ち、成年後見制度の活用に消極的になることもあるかもしれません。
しかし、どんな制度でもデメリットがあれば、メリットも存在します。デメリットをしっかり理解した上で慎重に進めましょう。
成年後見制度だけでなく、その他の家族信託や任意後見制度と比較し、ご本人やご家族にとって最適な方法を見つけてください。
種と実 行政書士事務所は、遺言・家族信託・成年後見の専門家です。
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